【自他③使役編】自動詞の使役形は他動詞の代わりになります。

【自他③使役編】自動詞の使役形は他動詞の代わりになります。 文型
【自他①見分け方編】もう「を」で迷わない!自動詞他動詞の見分け方
概要✓「通過点」「起点」の「を」をとる動詞は他動詞ではない。✓他動詞につく「を」は「対象」の用法である。✓他動詞→原因〈対象(物)に対する人の働きかけ〉を表し、それだけに注目した表現。 直接的な働きかけであるというニュアンスがある。✓自動詞...
【自他②受身編】他動詞の受身形は自動詞の代わりになります。
概要✓ペアになる自動詞がなく、でもその他動詞文の結果を表現したい場合→その他動詞の受身形を自動詞の代わりとして使うことができる。【他動詞】    【自動詞】食べる       ✖【他動詞】    【自動詞の代わり】食べる       食べら...
【自他④発展編】「寝かせる」と「寝させる」の違い
概要✓寝かせる→他動詞✓寝させる→自動詞「寝る」の使役形✓他動詞「寝かせる」→主語の人の直接的な働きかけによって「寝る」状態にする。✓自動詞「寝る」の使役形「寝させる」→寝る人の意志によって「寝る」状態にする。(主語の人は指示や許可のみ)✓...
【イラスト付き解説】使役文について
使役文について使役形の活用使役形の動詞の活用についてはこちらの記事をご参照ください。使役文のつくりはじめの文を使役文にすると、動詞は使役動詞に変わります。使役文になると、新たな人物が加わり主語が変わります。✓はじめの文➡使役文(主語変わる)...
【走り書き!】使役形の活用
Ⅰグループ活用飲みます・聞きます・遊びます・待ちます・帰ります 等【Ⅰグループ(ますの前i)】✓① i ➡ a✓②ます➡せますⅠグループの動詞は、ますの前がiですね。使役動詞にすると、iはaになります。さらに、「ます」は「せます」に変わりま...

概要

ペアになる他動詞がなくでもその自動詞文の原因を表現したい場合
その自動詞の使役形他動詞の代わりとして使うことができる。
他動詞   【自動詞】
         咲く
他動詞の代わり   【自動詞】
  咲かせる            咲く
他動詞他動詞の代わり(自動詞の使役形)の違い
・他動詞対象への直接的な働きかけ
他動詞の代わり直接的な働きかけ」感は薄い

※「直接的」「間接的」については自他④をご参照ください。

ペアになる他動詞がない!

「花が咲く」の「咲く」は他動詞でしたか、自動詞でしたか。

はい!自動詞です!

「花が咲く」は変化の結果であり、自然現象的なので、自動詞です。

詳しくは、自他①自他②をご参照ください。

そうですね。

そして、自動詞「咲く」にはペアとなる他動詞はありませんでした

ちなみに、他動詞は対象(物)に対する人の働きかけのみに注目した表現でしたね。

他動詞   【自動詞】
  ✖       咲く

自動詞を使役形にして、他動詞を表そう

他動詞自動詞でペアになる動詞は、原因と結果の関係があるって自他①で言っていたけど、自動詞「咲く」にはペアとなる他動詞表現がないのだから、人の働きかけという原因は表せないんだね。

「花が咲く」という結果に対して、その原因となる人の働きかけというのは本当に表現できないのでしょうか。

ん~。

「花が咲く」ってもう自然現象だもんなあ。

じゃあ、これは表現できませんか?

こ、これは!

花さかじい……

現実的ではないでしょうが、この流れで「花が咲く」といった結果が生み出される場合。

原因となるこの部分。表現できますか?

できます!

おじいさんが花を咲かせているんです!

そう。咲かせる。
(人が)花を咲かせる。」のです。

「咲かせる」って使役形ですよね。

はい。「咲かせる」自動詞「咲く」の使役形です。

これが他動詞の代わりとなり、原因を表すことができます。

※使役形の活用についてはこちらの記事をご参照ください。

つまり、ペアになる他動詞がなく、でもその自動詞文の原因を表現したい場合には、

その自動詞の使役形他動詞の代わりとして使うことができます。
他動詞の代わり   【自動詞】
  咲かせる            咲く

それに物語みたいな架空の出来事だけじゃなく、今どきは実際に人間が花を咲かせることができるよね。

あ、確かに。電照菊とかって人工的に花を咲かせる栽培方法の一つだもんね。

他動詞と他動詞の代わりの違い

前回自他②で出てきた本当の「自動詞」と「自動詞の代わり」って違いがあったけど、「他動詞」と「他動詞の代わり」にも違いがあるのかな。

うーん、確かに、

他動詞「ドアを開ける」と他動詞の代わり「花を咲かせる」って両方とも何らかの働きかけによる変化の原因を切り取った表現なのに、何か雰囲気違うね。

他動詞】     【自動詞】
開ける               開く
閉める               閉まる
他動詞の代わり   【自動詞】
咲かせる          咲く
腐らせる          腐る

そうですね。

他動詞の方は対象への直接的な働きかけの感じがあるのに対し、他動詞の代わりの方はそのあたりがちょっと薄い感じがしますね。

確かに!

これは前回自他②と逆で、他動詞の代わりはあくまで自動詞(の使役形)で他動詞ではないってことよね。それに使役形だから文全体が間接的な雰囲気出るのかな。

でも使役の意味の「誰(何)かが誰(何)かに何か行為をさせた」感も薄い気はする。だから「他動詞の代わり」にできるのかしら。

※「直接的」「間接的」については自他④をご参照ください。

※使役文の詳細は「使役文について」の記事をご参照ください。

使役形の活用はこちら

 

参考文献はこちら

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