絶望の敬語勉強
敬語……。
それは、まあまあ学習が進むとちょっと大人の雰囲気出してくる中々厄介なヤツです。
尊敬語とか謙譲語とか

丁寧な言い方になるっていうだけで、どうして難しい表現ばかりこんなに覚えなきゃいけないの?

そもそも、覚えたところで、コレ、実際使いこなす自信ないよ。
絶望なんですけど。
日本語学習者達のそんな心の声が聞こえる。
それはズバリ、便利だから!
敬語を覚えるのは確かに難しい……だけど!

普通の言葉づかいでは見えないアレが見えるから、日本語会話がスムーズになるんだよ。

何それ、おまじない?
隠れた主語が見えてくる
敬語表現そのものを覚えることに必死で、さらりと通りすぎてしまうのが「主語」について。
何も新しいことではありません。きっとはじめに説明があるはずです。

尊敬語は主語を高めるとか、そんな話でしょ?
そうなんです。
でも、実際の会話の中では主語って抜けてしまいがちですよね。
これは日本語の大きな特徴の一つでもあります。

英語みたいに「私は」「あなたは」って必須じゃないもんね。
だから、この敬語のはじめの説明はさらっと流れてしまうんです。

でも、改めてここに注目すると、これが結構気の利いた役割を持っているんですよ。
あれ?敬語って便利かも
ちょっとこの場面を想像してみてください。

私の通うとあるリハビリ施設での様子です。
その際、患者は自分の手荷物をカゴに入れて持ち歩くシステムなのですが、
そのカゴを患者自身が持つ場合もあるし、付き添いのスタッフが持つ場合もあります。
どちらが荷物を持つのかは、その時の体の状態によって様々で、大抵スタッフの人がはじめに声をかけてくれます。

①「(荷物を)持ちますか」
例えば、スタッフの人が①の声掛けをしたとします。


え? あ、はい…。

私は自分が荷物を持つつもりで聞きました。
恩着せがましく伝わるのは嫌なので、ふんわりと言ったんです。
話し手であるスタッフの方は、当然どちらかの主語を頭に置いて話しているのでしょうが、実際に口に出して主語が隠れてしまうとスタッフが持つのか患者が持つのか、正確には聞き手に伝わりません。

会話って、思っている以上に複雑で正確じゃないんだなあ。
②「(荷物を)お持ちになりますか」

お持ちになりますか?

はい、自分で持ちます。

隠れていても主語は必ず聞き手なんだね!
③「(荷物を)お持ちしますか」

お持ちしますか?

ありがとうございます。お願いします。

高める必要のない主語ということは、主語は話し手なのね。
まとめ:まずはこれだけ整理しておこう。
今回はさらりと敬語(尊敬語・謙譲語)話をしましたが、実際には覚えなければいけない事はもっとたくさんあります。

でも、会話の中で主語を明確に示せるというのはとても便利な事です。
敬語は「丁寧な言い方になり、人間関係を円滑にする」と言いますが、
誰がその動作を行うのかという部分がはっきりするだけで、コミュニケーションはスムーズになります。

その上、丁寧な言い方になるなんてラッキーだね。
確かに、覚えることはたくさんありますが、まずは自分と相手がいる会話の中で、
謙譲語が出てきたら、主語は話し手(一人称)

ということは、あべこべに覚えてはまずいですね!
しっかりみっちり覚えなくちゃ。

げっ。やっぱりそう来たか!
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