




概要
✖ 咲く
咲かせる 咲く
※「直接的」「間接的」については自他④をご参照ください。
ペアになる他動詞がない!

「花が咲く」の「咲く」は他動詞でしたか、自動詞でしたか。

はい!自動詞です!
「花が咲く」は変化の結果であり、自然現象的なので、自動詞です。

そうですね。
そして、自動詞「咲く」にはペアとなる他動詞はありませんでした。
ちなみに、他動詞は対象(物)に対する人の働きかけのみに注目した表現でしたね。
✖ 咲く
自動詞を使役形にして、他動詞を表そう

他動詞自動詞でペアになる動詞は、原因と結果の関係があるって自他①で言っていたけど、自動詞「咲く」にはペアとなる他動詞表現がないのだから、人の働きかけという原因は表せないんだね。

「花が咲く」という結果に対して、その原因となる人の働きかけというのは本当に表現できないのでしょうか。

ん~。
「花が咲く」ってもう自然現象だもんなあ。

じゃあ、これは表現できませんか?

こ、これは!
花さかじい……
現実的ではないでしょうが、この流れで「花が咲く」といった結果が生み出される場合。
原因となるこの部分。表現できますか?

できます!
おじいさんが花を咲かせているんです!
そう。咲かせる。
「(人が)花を咲かせる。」のです。

「咲かせる」って使役形ですよね。

はい。「咲かせる」は自動詞「咲く」の使役形です。
これが他動詞の代わりとなり、原因を表すことができます。
※使役形の活用についてはこちらの記事をご参照ください。
つまり、ペアになる他動詞がなく、でもその自動詞文の原因を表現したい場合には、
咲かせる 咲く

それに物語みたいな架空の出来事だけじゃなく、今どきは実際に人間が花を咲かせることができるよね。

あ、確かに。電照菊とかって人工的に花を咲かせる栽培方法の一つだもんね。
他動詞と他動詞の代わりの違い

前回自他②で出てきた本当の「自動詞」と「自動詞の代わり」って違いがあったけど、「他動詞」と「他動詞の代わり」にも違いがあるのかな。

うーん、確かに、
他動詞「ドアを開ける」と他動詞の代わり「花を咲かせる」って両方とも何らかの働きかけによる原因を切り取った表現なのに、何か雰囲気違うね。
開ける 開く
閉める 閉まる
咲かせる 咲く
腐らせる 腐る

そうですね。
他動詞の方は直接的な働きかけであるニュアンスがあるのに対し、他動詞の代わりの方は間接的な感じがしますね。

確かに!これは前回自他②と逆で、他動詞の代わりはあくまで自動詞(の使役形)で他動詞ではないってことよね。でも便利だわ。
※「直接的」「間接的」については自他④をご参照ください。
※使役文の詳細は「使役文について」の記事をご参照ください。
【参考文献はこちら】
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